もがろぐ

思考と趣味、ときどき日常

太らずに食べる方法を考えてみた

貪食を極めたローマ皇帝ウィテリウスは、満腹になるとそれ以上食事が出来ないことを嘆き、自ら嘔吐し胃を空にして再び食卓に向かったという。

ウィテリウスに限らず古代ローマ人はみんな似たようなことをしていたらしい。

食べ物を粗末にするのは嫌いだし真似するつもりはないが気持ちは分かる。

僕は食べることが大好きだ。

食べ物が好きというより食べるという行為が娯楽になっている節がある。

これは何を意味するかというと、美味しいものを少量食べて満足するより大食いになりがちということだ。

これはよくない。よろしくない。

何がいけないってそりゃもう太る。幸いまだ僕はBMIでいえば肥満ではないが時間の問題な気がする。

しかし食べたい。太りたくもない。

じゃ太らないように食べよう。

今日はそんな夢見がちな人間の戯言である。



目次



食べても太らない、たった5つの方法

夢のような言葉を吐いているがあくまで現実的に科学的に考えていこうと思う。

早速だが思いつく方法を列挙してみる。

  • 糖質を避ける
  • 野菜から食べる
  • 食事の回数を減らす
  • 親水性のものを食べる
  • サラシノール茶を飲む

……。
なんというか…一貫性がなさすぎるというか…

まぁいいや。

一つずつ検討していこう。

糖質を避ける

いわゆる糖質制限ダイエットである。

いろんな雑誌やホームページで取り上げられていることなので、正直今更書くことない。

たくさん食べたいならササミを食べまくればいい。ササミで満足出来れば。

それはそうと、糖質制限ダイエットのページを覗いてみるとケトン体が増えてそのときに痩せるんだ云々とよく書かれている。

糖質制限って言葉を聞くようになったのも最近のことなのによく調べたもんだと思う。

ダイエットという注目度の高いコンテンツだけにやはりその成長には目を見張るものがある。

ちなみにケトン体が増えるということは代謝性のアシデミアになる(血液のpHが酸性に傾く)ということなので危ないといえば危ない。

いっぱい深呼吸してCO2を吐き出そう。

野菜から食べる

これも特に書くことがない。

糖尿病患者の食事方法として知られているように思う。吸収を穏やかにして食後血糖上昇を抑える。

とはいえ糖尿病では重要だが、たくさん食べたいという欲求を満たしたいだけの僕にはあまり有効ではない。

健康を考えればやるに越したことはないが、吸収が穏やかになるだけで結局取り込まれているなら太る。

健康考えるなら暴食をやめろって話になるし。

食事の回数を減らす

そろそろ本題か。

食事の回数といえば1日3食というのは常識だが、今回はたくさん食べても太らないという目標なので食事回数も3回が正義とも言えない。

結論から言えば食事の回数は増やしても減らしても代謝は変わらないが、減らした方が太らないらしい。

論文を見つけたので今度読んで記事にしようと思う。理由はそのときに。

この論文とは違うが、理由としてある人からこんなことを聞いた。

「一日に何回も食べていると消化管のトランスポーターが疲弊し栄養素が吸収できない。必要な栄養素が吸収できないのでどんどん食べてしまう。その間も油分は吸収されているから太る。」

のだとか。トランスポーターからの吸収がストップしても脂溶性の物質は受動拡散されるので、一見筋は通っている。

しかしそもそもトランスポーターの疲弊ってなんだって感じで正直眉唾ものだ。全くないわけではないだろうがエビデンス皆無ではなんとも。

また、この食事回数2回のほうがいいという話は普通に食事をするならという前提のようなので、たくさん食べたい場合は当てはまらないかもしれない。

空腹を感じる時間が多ければインスリン感受性上がりそうだなーとも思うしあまり有効ではないように思う。

親水性のものを食べる

今回一番書きたかったのはこの項だが、全て机上の空論だしいろんなものを度外視していることは理解しているので、もしツッコむとしても優しくしてほしい。

ちょっと面白いことに気づいて書いてみたくなったというだけで実践する気もこの方法をオススメする気もない。

さっきも書いたが疎水性のものは脂質二重膜を通過できるので受動拡散で吸収される。

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では親水性のものはどうか。

水酸基を多く持つアミノ酸グルコースは受動拡散で取り込めないので、トランスポーターで吸収される。
(グルコースの場合刷子縁膜側のSGLT1だ。GLUTは今回あまり関係ない。)

つまり…

トランスポーターということは飽和を起こす。

つまり…

親水性アミノ酸グルコースはある一定のラインを超えると吸収されなくなる。

つまり…

シュークリームは一定のラインを超えた時点でそれ以上はいくら食べても吸収されないフィーバータイムが存在する

スイーツビュッフェが夢の国と化した瞬間である。

シュークリームに限らず糖にはフィーバータイムが存在する。

油には存在しない。食べたら食べた分だけ吸収される。

これは論文を漁ったりもしていないが間違いないはず。

ただし実践するのはやめておいたほうがいい。

飽和する段階が来るのは確かだが、それがいつ来るか調べたわけではないし、飽和する前に食べた量だけで健康に悪影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかだからだ。

シュークリーム5個で飽和するかもしれないし、100個で飽和するかもしれない。
それがいつ来るかはわからないが、仮に100個だとして、「100個で飽和するから101個以上は200個食べようが300個食べようが同じこと!」って…それ聞いて嬉しい?

フードファイターならともかく一般人にはあまり参考にならないだろう。

ここまで書いて普通にMichaelis-Menten式で計算できるんじゃないかと思い出したけど、面倒だから気づかなかったことにする。Kmわからないし。

サラシノール茶を飲む

よくある健康食品販促サイトの最後の項目に商品の説明を置くアレとは違うので勘違いしないでほしい。

サラシノールの会社から金もらってるわけでもないしステマする気もないが、最近僕はこのサラシノール茶なるものを飲んでいる。

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サラシノール茶

薬局で期限が近いからと半額で売ってあるので、買って飲んでいる。350mL(一日分)で100円ならかなり安いもんだし試してみるかなぁと軽い気持ちで始めた。

α-グルコシダーゼ阻害作用とDPP-4阻害のような作用があるらしい。

どちらも糖尿病薬の機序の一つだが、あくまで健康食品なのでそこまで強くないはず。

しかしα-GIは類似構造の競合阻害で説明つくけどDPP-4はどういう理屈なんだ…

これは確かに効くらしいが、せっかく自分が飲んでいるので自分自身が効果を実感してから「効果あり!」と言いたい。エビデンスは俺や。

効果があったらまた記事にしようと思う。時間があれば。

おわりに

適当に思いついた5つについて1つずつ解説していったら既に4000字目前だったのでここで終わろうと思う。

たった5つの方法と書いたが語感の良さで使ってみたかっただけでたったでもなんでもない。

しかも結局サラシノール茶ぐらいしかまともな方法がなかった。

ダイエット効果を謳う健康食品は数あれど中には全く効果がないものもあると聞く。

直に身体に入れるものだし自分の理解の及ぶ範囲で納得して使いたいものだ。



今回はいつもと違い空想でなく現実の話(?)をしてみた。

知り合いにシュークリームの大食い選手権を棄権するか否か悩んでいるフードファイターがいる場合はこの記事をシェアしていただきたい。